会社運営にかかるランニングコスト

ランニングコストを削減するポイント!

会社の設立を目指している皆さま。

事業内容を決め、資金を集めと大忙しかと思います。 大企業にも負けない力のある会社に…、と夢を持っている方も多いはず。

しかし、会社運営というのはそんなに甘いものではありません。

というのも、設立年から最初の5年で全体の5割の会社が廃業します。 最初の5年間を生き残っても、次の5年で残りの5割がさらに廃業するのです。

つまり、最終的に生き残れる会社というのは全体の1割にも満たないということ。

では、どうすれば生き残れるのかというと、基本となるのは”ランニングコスト”。 ランニングコストとは会社運営に必ずかかってくる費用のことです。

ランニングコストを抑えることで負担を減らし、他に予算を回すことができます。

また、会社といっても複数の形態があり、必ずしも”株式会社”である必要はありません。 そこで今回は、会社ごとにかかるランニングコストと削減のポイントをご紹介しましょう。

会社ごとのメリット・デメリットもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.株式会社である必要はない?

会社のランニングコスト

”会社(社長)=株式会社”と思ってはいませんか? 明確には上記の通りなのですが、会社には他にも選択肢があります。

個人事業主

「会社を作るなら株式会社でしょ」
「とりあえず株式会社を作っとかないと」

もし、上記のように考えているのなら要注意です。

というのも、法人(会社)には設立時に法定費用がかかります。 合同会社で約6万円、株式会社で約20万円と少なくありません。

その点、”個人事業主”であれば届出(用紙)1枚出せば済むだけ。

正式には会社ではないですが、事業を進める上で様々な控除も受けられます。 赤字の年度には税金がかかりませんし、来年分で相殺することも可能です。

正直、設立当初というのはいつ、どれだけの売り上げがあるか分からないもの。

「これくらいの利益には…」と思っていてもそう上手くは行かないものです。 すでに規模が大きいならまだしも、最初は個人事業主からをおすすめします。

合同会社

「できれば会社(法人)として…」
「社会的な信用も欲しいし…」

上記のように、どうしても法人(会社)にしたいのなら”合同会社”という選択も。

合同会社とは出資者が”有限責任社員”として所属する法人のこと。 社員自身が出資者なので、外部(株主など)を気にする必要はない訳です。

個人事業主は始めやすい反面、社会的にはあまり信用がありません。

その為、取引先によっては取引条件に”法人であること”としているところも。 銀行や行政など、”お硬い系”の取引先ほど法人であることを重要視しています。

もちろん個人事業主でもいいですが、信用を得るには4,5年の実績が必要です。

合同会社は”法人”なので、少なくとも個人事業主よりは社会的な信用があります。

ちなみに、MacやiPhoneでお馴染みの”Apple Japan”も合同会社の一種。 他にも世界的な有名企業が次々と、株式会社から合同会社に切り替えているのです。

今後、合同会社の社会的地位はさらに上がり、より魅力的な選択肢となることでしょう。

株式会社

「すでに社員が何人かいる…」
「1,000万円以上の売り上げの見込みがある…」

すでにある程度の規模、売り上げがあるのなら”株式会社”を検討するべきです。

届出1枚、個人から気軽に始めるのなら”個人事業主”。 法人(会社)としての形を残しつつ、より敷居を低くしたのが”合同会社”。

どちらも魅力的ですが、日本においてはやはり株式会社がもっとも信頼されます。

また、株式会社は”株式”を発行することで、株主から資金を集めるという手段が。 個人事業主はもちろん、合同会社でもっとも苦労するのが資金集めの手段です。

仮に銀行から融資を受けるとして、”信用(実績)”がないとまず通りません。

「こんなアイディアがある…」と意気込んでも、資金がなければ挑戦さえできないのです。 株式会社のように資金調達の選択肢が多いというのはそれだけで魅力的と言えます。

その上、株式会社には税制面での優遇措置がより広く設定されています。

資本金1,000万円以下であれば、創業して2年間は納税が免除されるなど。 経費として計上できる範囲も広いので、ランニングコストを抑えやすいのも株式会社です。

2.会社ごとのメリット・デメリット

会社のランニングコスト

個人事業主・合同会社・株式会社のおよそのイメージはついたかと思います。 では、先述した内容を踏まえて、会社ごとのメリット・デメリットをまとめていきましょう。

個人事業主

メリット

  • 設立(創業)は届出1枚と簡単にできる
  • 税制面での優遇もある程度は受けられる
  • 個人の裁量で自由に事業を進められる

デメリット

  • 社会的な信用はほとんどない
  • 個人規模でしか事業はできない
  • 個人が無限責任を負っている

※無限責任とは、借金や損害のすべてを負わなけれならないということ。

合同会社

メリット

  • 法人(会社)としての信頼を得られる
  • 株式会社より設立コストがかからない
  • 社員だけで事業の方針を決められる
  • 将来はより信頼の上がる可能性がある

デメリット

  • 株式会社ほどの信頼はされていない
  • 社員(出資者)で方針を決める必要がある
  • 株式会社として上場はできない

株式会社

メリット

  • 法人(会社)としてもっとも信頼されている
  • 株式を発行することで資金調達ができる
  • 税制面でのランニングコストを削減しやすい

デメリット

  • 設立には約20万円の費用がかかる
  • 株主(外部)に方針を決められる可能性がある
  • 株価の上下が経営状況に関わってくる

3.会社ごとに向いている業種

会社のランニングコスト

最初は個人から、発展に合わせて法人(会社)にするのがおすすめです。 では、会社ごとに向いている業種、事業形態について見ていきましょう。

個人事業主

”個人”とある通り、1人(個人)でできる事業全般です。

例えば、料理店や雑貨屋、アパレル系といった店舗経営のように。 最初は個人で設立し、2店舗,3店舗と増やすときに法人(会社)にする訳です。

また、デザインや設計、施工といった事務所関係も個人事業主向き。 クリエイティブなものは個人でも始めやすく、事業が拡大しても小規模を維持できます。

基本は個人で、プロジェクトに合わせて期間限定のチームを組むことができる訳です。

特別な理由のない限りは、個人事業主(スモールスタート)からの設立をおすすめします。

合同会社

合同会社は1人から、2,3人と小規模からスタートできるのが魅力の1つ。

ただ、株式会社に比べて、合同会社は社会的な認知度が低くいです。 銀行や行政、株式会社によっては取引してくれないこともあるでしょう。

反面、サロンやジムのように、一般消費者をターゲットにしたものなら問題ありません。

一般消費者が求めるのはサービスの質であり、合同か株式かは意識しないため。 インターネットビジネスやアプリ提供など、IT系についても合同会社が多い傾向です。

個人事業主からのステップアップ先としても、合同会社は検討しておきたい選択肢です。

株式会社

事業が拡大するにつれ、1度は検討しておきたいのが”株式会社”。

日本においてもっとも認知度が高いだけに、資金集めの選択肢は広いです。 銀行から融資を受けるのはもちろん、”株式”として資金を集めるなど。

生産(工場)や流通(運搬)など大規模な投資の必要な事業について。

数千万、数億円単位の投資が必要なとき個人、合同では難しいものが。 信頼があるだけに、銀行や行政、他の株式会社を相手に取引しやすいのです。

より大きな事業、投資を進めたいのなら株式会社は避けて通れないでしょう。

ちなみに、”代表取締役社長”と名乗れるのも、株式会社になってからです。

4.会社ごとに設立までの流れ

会社のランニングコスト

会社を設立すると、規模に差があるだけで根本的にはどれも同じことです。 ただ、実際に設立するとなると、会社ごとにその流れには微妙な違いがあります。

個人事業主

個人事業主は”開業・廃業等届出書”を管轄の税務署に提出するだけ。

合同会社や株式会社のような法定費用はありません。 まさに紙1枚で個人事業主として活動を開始できる訳です。

記入内容としても氏名や住所、事業内容など簡単なもののみ。 難しいとすれば”屋号”ですが、空欄でも問題なく処理されます。

シャチハタでなければいいのですが、できればきちっとした印鑑を用意しましょう。

開業・廃業等届出書は管轄の税務署または、国税庁(ホームページ)から入手できます。

国税庁

合同会社

個人事業主と比べると、どうしても手間のかかるのが”合同会社”。

合同会社を設立するまでの流れを以下にまとめてみました。

  1. 設立項目の決定
  2. 定款の作成
  3. 登記書類の作成
  4. 法務局で設立登記
  5. 税務署等に届出

設立項目とは商号(屋号)や事業目的、所在地や資本金など。 合同会社を設立する上で、まず決めておく必要のある基本事項です。

その後、設立項目をもとに”定款(書類)”を記入していきます。 最近では”電子定款”もあり、収入印紙代(4万円)が不要です。

定款を作成したら、登記申請書や払込証明書、印鑑届出書なども。

法務局で設立登記を、税務署等で届出をしてと書類だけで数十種類以上です。

どの書類も管轄の法務局、税務署等で入手できます。 設立の相談にも乗ってもらえるので、書類を貰うついでに質問しておくのが良いです。

株式会社

合同会社以上に手間、費用のかかるのが”株式会社”。

株式会社を設立するまでの流れを以下にまとめてみました。

  1. 設立項目の決定
  2. 定款の作成
  3. 登記書類の作成
  4. 法務局で設立登記
  5. 税務署等に届出

上記から分かる通り、流れ自体は合同会社も株式会社も同じです。

ただし、株式会社では合同会社以上に細かく定款(ルール)を定めておく必要が。 ”株式の譲渡制限”や”取締役の任期”など、重要事項を決めておかないとトラブルにつながります。

株式会社も個人で手続きすることは可能ですが、正直なところ司法書士などに依頼するべきです。

というのも、定款を始めとした書類は専門的なものが多く、個人では分からないことだらけ。 役所に提出するだけに、書類に不備があれば後々のトラブルにつながる危険性があります。

司法書士などに依頼料はかかりますが、スムーズに設立するためには必要な経費です。

5.会社ごとにかかる設立コスト

会社のランニングコスト

設立の手間もそうですが、設立のコストも会社によって違いが。 では、会社ごとにかかる設立のコストについてご紹介しましょう。

個人事業主

個人事業主の設立に必ず必要というコストはありません。

先述した通り、個人事業主は開業・廃業等届出書を提出するだけ。 合同会社や株式会社のような法定費用はかからないのです。

つまり、自身の体一つで事業するのならコストは0ということ。

もちろん、一般的には個人事業主でもある程度の資金(コスト)がかかります。 店舗(契約金や改装費用)や設備(パソコンやレジスター)など。

特に、雑貨屋やアパレルなどには”在庫”というコストは必須です。

事業の内容、何を売り物にしたいかによってコストを計算するのが良いでしょう。

合同会社

合同会社の設立にかかるコストとして、必ず必要なのは法定費用の約6万円のみ。

  • 収入印紙代…4万円(電子定款だと不要)
  • 定款の謄本手数料…2,000円程度
  • 登記免許税…6万円

その他には、個人事業主と同様に店舗や設備、在庫などの資金を用意する必要が。 社員を雇っているのなら、給料として予算(コスト)を組んでおくことも大切です。

反対に、1人で、体一つで活動するのならほとんどコストをかけずに設立もできます。

ただ、”合同”とあるだけに、一般的には複数人で集まって設立するもの。 個人事業主に比べてできることは増える分、それだけコストもかかるということです。

すでにある程度の規模があるのなら、司法書士や税理士との契約も検討しましょう。

法人(会社)の設立、運営には行政とのつながり、膨大な書類の作成があります。 本来の業務に集中するためにも、コストをかけてでも司法書士などに任せるべきなのです。

株式会社

株式会社の設立にかかるコストとしては、法定費用の約20万円に。 印紙代や手数料などを含めて、25万円程度あれば設立自体は可能です。

  • 収入印紙代…4万円
  • 公証人手数料…5万円
  • 定款の謄本手数料…2,000円前後
  • 登記免許税…15万円

しかし、当然ながらオフィスや設備、在庫などにかかる資金(コスト)についても。 特にパソコンや複合機、ビジネスフォンなどのOA機器にはコストがかかります。

複合機だと一般的なスペックのものでも、1台あたり100万円前後も。

また、小規模でも2,3人、大規模になれば100人単位で社員もいるでしょう。 少なくとも半年、できれば年単位で運営資金(ランニングコスト)を確保しておきたいところ。

規模が大きくなるほどに手続きも複雑になり、司法書士や税理士を利用する必要が。

例えば、司法書士に株式会社の設立サポートを依頼すると5万円〜10万円ほど。 ただ設立するだけなら25万程度でも、業務を開始するには数百万円単位でかかる訳です。

6.会社ごとにかかるランニングコスト

会社のランニングコスト

個人事業主であればほとんどかからなくとも、法人(会社)になると設立のコストが。 会社を運営、維持するためにはさらに”ランニングコスト”まで考えておく必要があります。

個人事業主

個人事業主にかかるランニングコストとしては主に3つ。

  • 店舗の家賃
  • 光熱費等
  • 在庫管理

店舗を借りるにせよ、自宅にせよ少なからずランニングコストがかかっています。 家賃(またはローン)の支払い、光熱費や電話代、ネット代など。

また、雑貨やアパレルなどでは在庫を仕入れたり、管理するのにもランニングコストが。

1人で運営するならまだしも、アルバイトを雇うなら給与も加えておきましょう。

個人事業主だとしても、ちょっとしたことで経費のかかることはあります。 ガソリン代のような交通費、取引先との交際費(食事代)なども。

少なくとも100万円以上、できれば200,300万円ほどの運営資金は用意したいところです。

合同会社

合同会社にかかるランニングコストしては以下のようなものが。

  • オフィスの家賃
  • 光熱費等
  • 在庫管理
  • 社員の給与
  • 福利厚生費
  • 行政書士の顧問報酬
  • 税理士の顧問報酬

個人事業主と同様に、合同会社にも家賃や光熱費、在庫管理などのランニングコストが。 さらに社員の給与に、厚生年金などの福利厚生費もランニングコストとして必要です。

また、行政との各種手続きには行政書士、税理士などに顧問を依頼することもあります。

社員数が増えれば、会社としての規模が大きくなれば経費にかかる割合も増えます。 社員が携帯で電話すれば通信費が、業務で車を使えば交通費がなど。

経費を絞りすぎると社員の満足度が下がり、結果として事業自体に支障がでるので要注意です。

少なくとも半年、できれば2,3年分のランニングコストを確保しておくと安心してスタートできます。

株式会社

株式会社も合同会社と同様に、以下のようなランニングコストが。

  • オフィスの家賃
  • 光熱費等
  • 在庫管理
  • 社員の給与
  • 福利厚生費
  • 行政書士の顧問報酬
  • 税理士の顧問報酬

上記から分かる通り、株式会社も合同会社とかかるランニングコストはほとんど変わりません。

ただ、合同会社とは異なり、株式会社ではより外部との付き合いが密になります。 特に上場し、株式を外部に発行していれば”株主”との付き合いを大切にする必要が。

筆頭株主に対しては個人的に、その他には株主総会を開くのが一般的です。

外部との付き合いが増えるほど、どうしても経費は増えやすくなる傾向に。 事業の規模が大きくなるごとに、今まででは考えられなかったところにランニングコストがかかるのです。

株主から、銀行からいかに融資を受け、ランニングコストを確保できるかが関門としてある訳です。

7.会社のランニングコストを抑えるには

会社のランニングコスト

個人事業主にせよ、合同会社や株式会社にせよランニングコストは必ずかかってきます。 だからこそできるだけ抑えたいもの。では会社のランニングコストを削減するポイントをご説明しましょう。

個人事業主

個人事業主でかかるランニングコストというのはあまり多くありません。

まして、流行りのネット関係の事業などは、パソコンとネット環境があればいいというものも。 正直、一般的に言われている節約、無駄の削減を意識すれば問題のないレベルです。

ただし、個人事業主は1人だからこそ”時間的なランニングコスト”が重要視されます。

会社であれば社員同士で、助け合うことで時間を遅れをカバーすることが。 個人事業主はすべてを1人でするだけに、基本的に誰も助けてはくれません。

効率的に作業すればランニングコストはかかりませんし、効率が悪ければ余計にかかります。

スケジュールを明確に立て、できるときに少しでも進めておく心構えが大切です。

合同会社

合同会社は全員(出資者)が経営に関われるので、ランニングコストの削減は比較的簡単です。

例えば、光熱費や水道などインフラ関係はちょっとした心掛けで無駄を減らせるもの。 事務用品や消耗品についても、全員で管理できる体制さえあれば抑えやすい部分です。

また、どうしてもランニングコストが負担になるのなら、給与や福利厚生を抑えるという手も。

というのも、合同会社では社員の給与などを全員の合意のもと、自由に決められます。 倒産するリスクを考えれば、一時的に給与を減らしてでも存続させるという選択もあるのです。

ただし、全員が経営に関われるだけに、1人でも意見が異なると採決に時間のかかる可能性もあります。

株式会社

株式会社は株主総会のもと、代表取締役社長が”代表”という形で経営をしています。

その為、どうしても経営陣(社長)と労働者(社員)との間には温度差ができやすいもの。 社長が「ランニングコスト削減を!」と意気込んでも、社員がその気でないとまず上手くいきません。

例えば、複合機での印刷枚数を制限しても、本当に実行するかは社員次第なのです。

しかし、もとのランニングコストが大きいだけに、上手に抑えられれば削減率も大きなものに。 最近では”ペーパーレス化”を進めている会社もあり、成果を上げて注目を集めているようです。

株式会社ではいかに社員との摩擦を抑え、理解を得ながら進められるかがポイントです。

8.会社運営にはランニングコストがかかる!

会社のランニングコスト

今回は、会社の設立にかかるコスト、運営にかかるランニングコストについてまとめてみました。

ただ、紹介した設立のコスト、運営のランニングコストは一般的にかかるであろうものです。 事業の業種、会社の規模、経営の方針などによってかかるランニングコストは変わってきます。

まずは自社のランニングコストとして何が、どれくらいかかるのか細かく計算してみましょう。

その上で、絶対に削れない部分と、削る余地のある部分を仕分けする訳です。 削る余地のある部分から、いかに抑えていくかでランニングコストの削減につながります。

ぜひ紹介したポイントを参考にし、無理なく無駄なくランニングコストの削減に挑戦してみてください。

Copywriter

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